公正証書遺言を作成すべき理由
相続に備えて遺言の作成を考える場面があります。
遺言にはいくつかの方式があり、選択する方法によって、相続開始後の手続きなどに違いが出ます。
本記事では、公正証書遺言を作成すべき理由について、司法書士の視点から解説します。
公正証書遺言の基本的な位置付け
遺言には法律で定められた複数の方式があり、そのひとつが、公証人の関与のもとで作成される公正証書遺言です。
公正証書遺言では、遺言者が口述した内容をもとに公証人が遺言書を作成し、証人が同席することでその信頼性が担保されます。
自筆証書遺言と比べると、作成時に一定の手間や費用がかかりますが、相続開始後の手続きをスムーズに進められ、相続トラブルを防ぎやすい遺言方法です。
公正証書遺言が選ばれる主な理由
公正証書遺言が選ばれる主な理由は次の通りです。
- 方式不備による無効を防ぎやすい
- 検認手続きが不要
- 遺言書の保管と管理が確実
それぞれについて具体的にみていきましょう。
方式不備による無効を防ぎやすい
自筆証書遺言は、遺言者がすべて自筆で作成するため、日付や署名、押印のし忘れなど、法律で定められた方式の不備が発生しやすく、遺言そのものが無効になるリスクがあります。
公正証書遺言は、公証人が方式を確認しながら作成を進めるため、こうした方式不備による無効のリスクを低減できます。
検認手続きが不要
自筆証書遺言の場合、相続開始後に法務局の保管所以外の場所で遺言書を発見したときは、原則として家庭裁判所での検認手続きが必要です。
検認には一定の時間や手間がかかり、相続手続きの開始が遅れることもあります。
一方で、公正証書遺言では検認手続きを経る必要がないため、相続開始後、速やかに相続手続きを進めることが可能です。
遺言書の保管と管理が確実
公正証書遺言の原本は、公証役場で保管・管理されるため、紛失や改ざんの恐れがありません。
さらに、遺言の内容確認や相続手続きには、原本ではなく原本と同じ効力を持つ正本が交付されます。
そのため、万一原本に問題が生じても内容の確認ができ、手続きを滞りなく進めることが可能です。
これは、自宅保管の自筆証書遺言では難しい確実性といえるでしょう。
まとめ
公正証書遺言は、公証人の関与のもとで作成される遺言方式であり、方式不備による無効を防ぎやすい点が特徴です。
また、遺言内容が明確に記録されるため、相続人間の紛争を防止しやすく、検認手続きを経る必要がない点も利点といえます。
さらに、遺言書が公証役場で保管されることで、紛失や改ざんのリスクが抑えられます。
公正証書遺言の作成をご検討の場合には、お気軽にご相談ください。